どうせ拾った縁だもの 後書きlong ver

date:2026年6月4日

創作 自創作を語りたい

九州コミティア10で出した新刊「どうせ拾った縁だもの」の振り返り記事です。
この本はA5/20p、アラビアンナイトをモチーフにした物語です。

ざっくりあらすじ

下町で貧乏暮らしをしている少女・アラジンは友人のアリババに誘われて洞窟の中にあるランプを探しにいく。
道中でランプを見つけるも女王・シェヘラザードに横取りされ、アラジンは捕えられてしまう…。

…という感じです。
こんなんですが最後は恋が始まりそうな予感のするハッピーエンドです。

描こうと思ったきっかけ

冒険ファンタジーが描きたいというのがありまして、九州コミティアに向けての新刊を描くかどうか決めかねていた時に急に降ってきました。

去年に映画「アラジン」(アニメ)を観て、話の面白さやキャラクターの感情の動きなど完成度の高さに感銘を受け「自分がこのモチーフで描くならどう描くか」と挑戦したい気持ちが大きかったからかもしれません。
「俺ならこうする」が創作の始まりと言いますが、まさにそうだったのかも。

・魔法のランプを探す話にしたい(ランプの魔人を出したい)
・少しでいいので恋愛要素は入れたい
・主人公は女の子がいい

この3つは必須事項で組み入れようと思っていました。
創作あるあるだと思いますが、諸々考えてるうちに入れたい要素がアレコレ出てきてしまいますよね。
この作品はそんな「途中で浮かんでくるアレコレ」を極力削ったのですが、上記3つは何とか守れたと思います。

キャラクターについて

「手癖で描けるように」をモットーにデザインしました。
手癖で、とはいえ描き慣れていないキャラ達なので一応設定画みたいなのは作っておいて良かったです。
ただこれだけ言えるのは、ななたまのキャラよりだいぶ描きやすかったですね…。

アラジン


主人公の女の子です。年齢は15〜16歳くらい?
アラジンを女の子にするのは一番初めに決まりました。

一人称が「おれ」で少年っぽい振る舞いをしているのですが、アラジンは物心つく頃には父親がおらず母親が育てていました。
男のいない家ということでアラジン一家は周りからはあまり良く思われておらず、アラジンは自分が男になればいい!と思って男らしく振る舞うようになったという裏設定があります。
男っぽさが板についてないので一人称が「おれ」になっています。

下町で貧乏暮らしをしており、働いてはいますが頭と要領が悪いので稼ぎはよろしくないです。
実は「アラジン」という名前は父親の名前を勝手に名乗っているだけで、本名は別にあります。
もし続きを描くことがあればそっちも掘り下げたいかも。

アラジンは女の子ですが、なるべく可愛く描かないように気をつけました。この子はこれから可愛くなっていくので。

アリババ


16〜17歳くらい。
アラジンとは数年くらいの付き合いでアラジンが女の子であることは知っています。

本編中ではあんまりいいとこなくてすまんやで。
ちなみにフォローしておくと、アラジンが捕まった後に助けるつもりだったのとアラジンもそれは分かっていました。
ただ本編でそこまで描いていない上に描くつもりもなかったので、普通に読んでたらただの嫌な奴なんですが…ここを読んでくれた人には彼はそんなに悪い人ではないとお分かりいただければ…。

完全な裏設定ですが、妹がいる(いた?)という設定があったりします。
物語に生きてくる設定ではないですし、妹がいるからといってアラジンを妹のように見ているわけではないので、果たして意味があるのか…というレベルの裏設定です。

あと彼だけ服装が全然決まらなくてずっと生首だけの状態でした。

シェヘラザード


アラジンの住んでいる国の女王です。
ランプを手に入れて願いを叶えようとしますが、シェヘラザードは同性愛者であり自分の国を女だけの国にするために悪用しようとしていました。(そのため未婚という設定です)

最初に考えていた展開として、
・冒頭でシェヘラザードがアラジンに条件付きでランプを探せと命じる
 →アラジンはこの国から出たいと思っていたが、女性が国外に出るのは禁じられていたという設定がありまして。
いらぬ会話や説明を挟まないといけなくなるため没に。
・シェヘラザードがランプで願いを叶える
 →シェヘラザードがランプの所有者になってしまうと話を畳めなくなってしまいそうだったので、条件を満たさないとそもそも願いを叶えられないという設定にしました。

悪役らしい部分はあまり描けなかったですが、言うほど悪い人ではないはず……。
ちなみにシェヘラザードが身につけているペンダントがあったりなかったりなんですけど、外に出る時はつけないという設定です!!!!(書きながら決めた)

シンドバッド


ランプを所有している国の王族です。
ほぼ裏設定ですが父親(王様)の命でランプを探さねばならなくなったという経緯があり、ランプを探している最中にシェヘラザードにランプの存在が知られて捕まってしまう…という感じです。
ちなみに兄がおり、シンドバッドは第二王子です。 

突然登場してアラジンと脱出してくるんですが、彼は捕まってる間にどこからどうやって出られそうかを模索していました。(だからあんなにあっさり脱出できたんですね!!)
王族ですので、アラジンやアリババと違って体格が良い…ように描けてたらいいな。

アラジンが女の子であることは最初から分かっています…というよりアラジンの男のフリが下手すぎるだけですが。

ランプの魔人


名前の通りです。
何年もランプに引きこもっていた設定があるので最初は引きこもりの陰気なキャラにするつもりでしたが、いざ動かしてみると自分のイメージしてた陰キャラにはなりませんでした。

(一応)性別の無い無性キャラとして描いてますので、どっちにも見えるように描けたら良かったんですけど…読んだ人にはどっちに見えるんでしょうね。
個人的には一番描いてて楽しかったキャラです。

ランプの魔人の設定として、「自国の王族の願いしか叶えない」というものがありまして。

これは後から浮かんできた設定で、上述の通りシェヘラザードの願いを叶える方向で考えていました。が、それだと20ページじゃ収まらなくなるので、いっそシェヘラザードの願いは叶えられないようにすれば削れるなと。

シンドバッドを一目見て自国の王族と見抜き、王族ならば自分の力を鎮めて
強制的にランプに戻すことができるので、それを試すために自分の魔法の力で遊びます。

なぜ魔人がシンドバッドの国に仕えているのかとかランプがそんな大事なもんなら何で自国で持っとかないんだとかそういう細かいことを考えてはいけません。(これは私の漫画全般に言えることですが)

こだわったところ、難しかったところなど

新刊を出すか出すまいか決めかねていた時にネタが降って来たのですが、その時点で2月中旬ぐらいでした。
当日まで約2ヶ月半しかなく、モチーフがあるとはいえ物語や設定をそのままパクるわけにはいかないためそこは考えねばならず。
考えるところから始まるので間に合うか微妙なラインでした。

せっかく描くならちゃんとキャラクターを作りたい、しっかり考えてあげたいと思って最初は物語には出てこない部分まで考えてましたが
案を練れば練るほど時間がかかるのと私の筆の遅さではもっと短くまとめないと間に合わないので、最低限描かなきゃいけないところ以外はバッサリカットしたり状況に応じて短くできるように変えたりもしました。
このライブ感と勢いはななたま(初期)を描き始めた時とちょっと似ていたかもしれません。

一番助かったのはモチーフがあったことですね。
描く方も読む方もイメージが湧きやすいだろうなと思って決めましたが、おかげであまり悩まずに決めれた部分もありました。
結局当初描きたかった冒険は全然してないんですけどね。


あとあんまりトーンは使いたくないと思って極力控えるようにしました(これはあんまりできてないかも)。
アラジンの髪は最初シェヘラザードと同じく黒ベタ一色で描いてたのですが、重たい印象になるのと華がないなと思って後からグラデーションに変えました。

タイトルについて

「どうせ拾った恋だもの」を元ネタにした「どうせ拾った貝だもの」が元ネタです。

アラビアンナイトモチーフなので「ア」から始まるタイトルにしたく、最初に思いついたものがありましたがダサすぎて……。
その名も「アブソリュートトレジャー」です。いやダサすぎるて。
ななたまといいダサいタイトルしか思いつかないので今更ですが。みんなタイトルってどうやって考えてるんですかね?はは…

上述の通り元ネタがありますが、これは作業中に観ていたアニメ「トライダーG7」のサブタイトルでした。
なんてセンスのいいタイトルなんだ…是非パクりたい!!と感心して調べたら1958年の「どうせ拾った恋だもの」という歌が元ネタだそうで、その時代のセンスに乗っかりました。

「恋だもの」の「恋」の部分は自分で考えたいと思いそこだけは無い頭使って考えました。
そんな考えるほどのもんでもないやろ?と思われそうですが、センスのない自分にとっては結構大変でぇ…。
元ネタの音をなるべく崩さずかつ語呂も良く、漢字一文字で「恋」に近しいものって何だ…と必死に考えたわけです。
内容と合っているタイトルなのか?と甚だ疑問ですが、気に入ってるのでヨシ!

表紙について

宝探しをする話の予定だったので、こんな感じで考えてました。

いざネームを描くと言うほど宝探しをしていなかったのと描く時間がなさそうだったのでやめてアラジンの顔を大きく描くスタイルに。


シンプルな顔絵になりましたがこれはこれで気に入ってます。
色も考えてる暇はないのでグレスケからのグラデーションマップかけるだけ。グラデーションマップは神。
アラジンの髪の色だけ赤にすると決めていたので、それだけは合わせられるように調整しました。
らんまの新装版表紙みたいな奇抜な(?)色合いにしたいと思って色々試したものの、どれも微妙な気がして結局は無難な色にしました。
右から生えてる手はシンドバッドの手です。(水色なのはグラデーションマップの都合)

装丁など

そもそも描き始めたのが遅かったのもあり、印刷所さんに頼むのはまず無理だろうと分かってい(たのでギリギリまで描くつもりでい)ました。
でもせっかくだから表紙は印刷所さんに頼んで中身はコンビニコピーにして自家製本しようと思って、表紙の印刷はおたクラブさんにお願いしました。
ホログラムPPラビリンスです。


…ここだけの話、表紙を入稿した直後にSNSで物議を醸したりなんやかんやあったのでこれ出さん方がええんやろかと思ったりもしました…。(普通に出したんですけど)

原稿自体は4月26日の時点で終わりそうだったので今からでも入れる保険…申し込める印刷所はあるのか?!と調べましたが、出来なくはないけど割増料金でしか無理だったので諦めました。あと一週間早く終わっていれば違ったかもね。

製本の時に以前ななたまコピー本版の時に買った中綴じホッチキスを使おうとしたら、2冊目製本してる最中にぶっ壊れました。

ぱっと見壊れてないように見えるんですが、壊れてます。しかも悲しいことに芯の補充をしたばっかりなのに取り出せないんですよ…!!!
この時点で4月28日だったのでとても焦りました…。

キャンドゥに中綴じホッチキスがあるらしいことを知り、ラッキーなことに近所の店舗で売ってたのでわざわざ都会に出て大きめの文具屋に行かなくて済んだので良かったです。
また壊れた嫌なので2つ買っておきました。

あとは表紙の紙の性質上、どれだけ頑張って折っても開いてしまうのでOPP袋に入れて終わり!

最後に

ひとまずやりたいことはやれた1冊になりました。
反省点は探し出したらキリがないのですが、実はiPadでやった方が作業早いんじゃね…?とかそういう気づきもありました。
ななたまのように何ヶ月もかけたり途中でリメイク挟んだりしたわけではないですし、読み切りで終わりにする予定だったのですが描き終わる頃にはまたこのキャラ達で何か描けたらいいな…と思えるぐらい愛着も湧いてきたのでまた何か描けたらいいなと思います。
現状九州コミティアで頒布したっきりになっていますが、イベントにサークル参加する機会があればまた頒布すると思いますので
読んでないけどこの記事だけ見てくださった方もまたどこかのイベントで見かけたらよろしくお願いします。

以上、終わり!!